現代日本の日常に密接しているものなどに反応する化学物質過敏症。文字通り「衣食住、生活の全て」に気を遣う必要があります。
その患者の対策と改善の基本の「き」化学物質過敏症の対策と改善|自宅編。
【合わないものの除去 衣類やリネンについて】です。
自宅内の合わないものの除去 衣類やリネンについて
一般的に市販されている洗剤類や柔軟剤は、最近は人工香料の濃度が濃くなってきており、また、ニオイが持続するような成分も使用されています。
「香害」という言葉がニュースになったりして、健常者の中にも体調を崩してしまうほど強烈なものになって来ていることは、皆さんご存知のことと思います。
発病前にそういった洗剤類や柔軟剤を使用していた場合は、衣類やリネンにも、洗剤類や柔軟剤の成分が染みついていますので、潔く廃棄する方がダメージが少なくなると思われます。
微香料タイプや無臭タイプであっても、洗剤や柔軟剤に含まれている合成界面活性剤や蛍光剤などに反応し、体調が悪くなることもあります。
一般的に市販されている洗濯用の洗剤類を使用していた場合は、使用を中止し、石けんや重曹系の洗濯洗剤を利用し、新品の綿などの刺激が少ない衣類などを用意して、マスキング(症状があまり出ない時期)を取ったり、嗅覚を落ち着けてから判断しましょう。
一旦使用を停止し、新品の綿などの刺激が少ない衣類などを用意する意味
化学物質過敏症になると、判別方法としてはまず「嗅いで確認する」だと思います。
ですが、発病したての頃は、一般的な市販品の揮発成分や揮発臭に曝されていた時期から間もないため、嗅覚がまだ鈍磨していることがあります。
ニオイで確認してみて、そんなに体調に影響を感じないと思っても、実は体調に影響がある場合もあるのです。
また、マスキングで判断しきれない場合もありますので、一旦は使用を停止したり、新品の綿の衣類を着用するのが「ベスト」です。
そして、着用したりアイロンにかけたりして温まると、揮発が活発になり、成分の臭気も強力になります。
嗅いで安全と判断し、着用後に体温で揮発が活発になり、ジワジワと体調が悪くなることもありますので、注意しましょう。
染みついた洗剤の成分を「もしかしたら」落とせるかもしれない方法
あまり刺激を感じないけど、ちょっとだけニオイが気になるな…というレベルであれば、「もしかしたら」安全に使用できるようになるかも知れません。
- 化学物質過敏症でも安全に使用できる洗剤類で何度も洗う
- 他の衣類やリネンが汚染されないレベルであることが前提ですが、何度か根気よく洗うと、マシになることがあります。
- 煮洗いする
- 煮洗いとは、文字通り「煮て洗う」ことです。
※化繊は溶けることがあります。煮洗いは綿や麻などに限ってください※- 注意点を確認する
- 綿や麻などであること
- 十分な大きさの鍋であること
- 染料を使用している場合は、揮発臭が凄まじいことがあるため、健常者の方にやってもらうこと
- ゴムが使用されている場合は、煮洗いを諦める(劣化します)
- 煮洗いは繊維の劣化を早めること
- 大き目の鍋に水と布類を入れる(鍋の7割くらいの量)
- 沸騰させる
- いったん火を止める(火にかけたままで洗剤を入れると溢れます)
- 安全に使用できる洗剤類を入れ、溶かす
- 再び火にかけ、様子を見ながら5分ほど煮込む
- 水で温めながらすすぎ、脱水して干す
- 注意点を確認する
- 風通しのいい場所に干す
- 全体的に風が当たるように、長期間干しておきます。
何度か洗ったりすると、安全に使用できる可能性が高くなります。
因みに、二次喫煙に曝された布は「化学物質過敏症が安全に使用できる洗剤類では落ちない物質が付着しています。
化学物質過敏症が安全に使用できる洗剤でも落ちる成分はありますが、揮発臭が変化するだけで、キツいことに変わりない状態なのは変わりません。
タバコについては「曝されないようにする」ことが重要です。
合わないもの除去 検討一覧や除去方法などについて
除去の検討一覧や除去方法についいては、「基本の「き」化学物質過敏症の対策と改善|自宅編」から参照してください。